
おいしいお米とは?徹底解説します!
そもそもお米ってどんな味?

人はお米を食した際に、口に入れたときの甘味、噛んだ時の弾力や粘り、鼻にぬける香りなど、五感で味わっています。
中でも弾力(ふっくらか、しゃっきりか)と、粘りの強さ(もっちりか、あっさりか)はおいしさを左右するところです。
一般的に、日本人には粘りが強くて甘味のあるお米が人気です。
お米の味はふくまれる2種類のでんぷん(アミロースとアミロペクチン)や、たんぱく質などのバランスによって決まり、それはお米の品種や栽培する土地の気候によって変わります。
お米にはさまざまな味がある?

家で食べるごはんと外で食べるごはんの味の「差」ってわかりますか?
実はお米にはたくさんの品種があり、粒の大きさや噛みごたえ、甘味も異なります。
この表は代表的なお米の品種の味を分布図で表したもので、お米屋さんのスズノブさんが作成したものです。
販売店や農協(農業協同組合)などでこのようなチャート表が作られていますので味の違いに注目してみましょう。
米袋には何が書いてある?

そのお米がどんなお米なのか、買う人が選びやすいように、お米の袋には品質についての表示をすることが法律で決められています。
産地や品種、収穫した年、販売者のほかいくつかお米を混ぜている場合にはどんなお米がどれくらいの割合で含まれているかなどが、ひと目で分かるように書かれています。
表示する項目は法律で決められ、一定の大きさ以上の文字で分かりやすく書かなくてはなりません。
ちなみに、はかり売りをする場合には、お米の名前と産地を立て札などで表示すれば良いことになっています。
一応、下記に根拠を載せておきます。
お米に必要な食品表示の内容
お米について表示しなければいけない内容は次の通りです。
(1) 名称 (2) 原料玄米(3) 内容量(4) 精米年月日(5) 販売者
(1)の名称は「うるち精米」「玄米」「もち精米」「胚芽精米」の中から該当する名称を記載します。「うるち精米」については「精米」と記載しても構いません。
(2)の原料玄米については「産地」「品種」「産年」「使用割合」をそれぞれ記載します。ただし「産地」「品種」「産年」については農産物検査を受けたお米でないと表示することができません。またブレンド米の場合は、ブレンド米であることが分かるよう「複数原料米」などの記載が必要です。さらに国産のお米を使っている場合は「国産品」、輸入されたお米の場合は原産国名(「アメリカ産」など)を表示し、それぞれの使用割合も併せて記載します。
(4)の精米年月日は精米を行った日付を記載します。玄米の場合は「調整年月日」として記載します。また輸入品で精米または調製年月日が分からない場合は「輸入年月日」を記載します。
(5)の販売者については「氏名または名称」「住所」「電話番号」を記載します。
お米とごはんの基本知識から引用
http://www.okomehp.net/social/social005
規制改革実施計画(令和2年7月17日閣議決定)において、「農産物検査規格の見直し」が対象とされ、農産物検査を要件とする玄米及び精米に係る食品表示制度の見直しを行うこととされたことを踏まえ、食品表示基準が一部改正されました。(令和3年7月1日施行)
1.農産物検査による証明を受けていない場合であっても、産地、品種及び産年の根拠を示す資料の保管を要件として、当該産地、品種及び産年の表示が可能となりました。
2.産地、品種及び産年の表示事項の根拠の確認方法について、農産物検査証明による等の表示が可能となりました。
3.生産者名等、消費者が食品を選択する上で適切な情報を一括表示枠内に表示できるようになりました。
新潟県HP から引用
https://www.pref.niigata.lg.jp/site/syokuhin/0408236.html
お米にも鮮度がある!?

お米は収穫から時間がたつほど鮮度が落ち、少しずつ味が変わります。
穫れたての新米はみずみずしく、やわらかくて甘味がありますが、常温で保存すると時間がたつほどに水分が失われて味が落ちていきます。
また、精米してからの時間もお米のおいしさを左右します。
精米すると玄米の時よりも酸化しやすくなり、だんだん固くなって味が悪くなるので、精米したら早めに食べきるのがおいしく味わうコツです。
白米は、きゅうりやトマトなどの野菜と同じ生鮮食料品と考え、冷蔵庫などの低温の場所に保管するのがおすすめです。
新米とは?

秋に見かける「新米」のシール。
収穫された年のうちに精米して包装されたお米は「新米」として売ることができます。
収穫してから日が浅いので、細胞がやわらかく、ふっくらおいしく炊き上がります。
古米と古古米とは?
次の年の新米が流通するようになると、前の年のお米は「古米」とよばれ、さらにその前の年のお米は「古古米」とよばれます。
古くなると成分が劣化したり細胞が固くなったりして味が落ちます。
新米はなぜおいしい?

新米は古米にくらべて細胞壁が柔らかく、ふっくらしています。
脂肪の分解がまだ進んでいないため、脂肪酸(たくときに水がしみこむのをさまたげるはたらきをする)の量が少ないことや、脂肪酸の酸化によって出てくるくさみが少ないので、新米はおいしいのです。
お米は古くなるとどうなる?
お米は収穫後も呼吸をしていて、見た目は同じでも内部では変化がおこっています。
まず細胞壁が固くなって味が落ちてしまいます。
脂肪酸が増えてでんぷんの中に入りこみ、水がしみこむのを邪魔したり、脂質が酸化して、特有のも出てきます。
お米のおいしさはどうはかる?
お米のおいしさをはかる方法には、人間の舌で評価する「食味官能試験」と、お米の成分を機械で測定して味を推定する「理化学検査」の主に2つがあります。
食味官能試験は日本穀物検定協会が行っているもので、試験をするお米と基準米をパネラー(評価をする人)が食べ比べて評価します。
理化学検査は食の味計などの機械を使ってお米にいくまれるアミロースやたんぱく質などを測定してお米の味を評価するもので、お米を販売する人や農協が独自にはかっています。
ただし食味計のメーカーはいくつも種類があるうえ評価基準が統一されていないので、違うところで食検査したお米を比べることはできません。
新聞やニュースなどでも話題になることが多い、お米の食味ランキングです。
日本穀物検定協会が毎年2月ごろに発表しているお米のランク付けです。全国のおもな産地品種銘柄のお米について食味官能試験を行い、「特A」から「B’」までの5段階で評価します。2017年産について行われた試験で「特A」をうけたお米は43銘柄ありました。
お米ランキングについては、また別のコラムにて解説していきたいと思います。
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